休日を利用して色んなお店に出かけます
最近は呑んだついでに回ることが多いですが・・
約25年位前になるでしょうか
その当時はヌーベルキュイジーヌなるものが流行っていて
新しい食材 今までにない組み合わせ 調理法など とにかく
目新しい物を追いかけていた時期があります
ある日 別の用事で出かけて 行列の出来てるお店を発見
それは ビルの1階にある集合店舗でそのお店以外は夜の飲み屋さんでした
見るとフレンチ!!
店構えからして怪しいと思いつつ 入店
まさしくスナックの居抜き店舗
キッチンには70歳位の白髪の老紳士的なシェフ 体がガッシリ
奥様であろうサーヴィス やはり60歳代と思える
やはり 動きが速い訳もなく 料理が出来るまで相当待ったのです
メニューは新しさのない ハンバーグスクランブル添え
定番のチキントマト煮込み
ハンバーグは丁度良いスパイス 火入れが完璧 あふれる肉汁 ふわっふわのスクランブル
(生クリーム 牛乳の配合が絶妙) 付け合せ野菜 全てが唸ってしまった
人参のシャットーグラッセ・・バター砂糖が絡みツヤッツヤ!! 人参ってこんなにおいしかったか・・
他の野菜も持ち味が活かされて おいしい・・
チキンは形が辛うじてとどまるまでのギリギリ煮込み
口の中でほどけていく中でトマトの酸味が絡んでくる・・すべてが完璧 絶妙・・
余程 きっちりしたところで きっちりと仕事をしてこられた方だと うかがい知れる
最新を追いかけて 出来てる気になってる 自分の未熟さとバカさ加減に
情けなさと 怒りなのか分からない感情がこみ上げて 泣きながら完食しました
帰り際にシェフに深く一礼
多くの物を見てきた目だ 今は慈悲深い 穏やかな眼差しをしておられる
私もあんな瞳になりたいと思ったものです
忘れてはいけない涙味です
それでは・・また次回・・