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ペガサス自慢のキャンドル芯
ペガサス自慢のキャンドル芯
ペガサスキャンドルのキャンドル芯は、倉敷市にある自社工場で製造しています。
芯について、深堀りしてみましょう。
芯の素材
基本のキャンドルの芯は、木綿の糸を編んで作られています。
木綿糸にも、キャンドルに適したものと適さないものがあります。
糸メーカーがおすすめした商品を使って試作してみたけれど、燃焼結果がイマイチ、ということも。
「キャンドルメーカー」として必要な糸を見極めるため、しっかり試作を重ねて、仕入れる糸を選定しています。
芯を編む構造
キャンドルの芯は、編み方によって分類されます。
構造の変遷
もともとキャンドルの芯は、綿糸をより合わせてつくっていました。
しかし綿糸をより合わせた芯を使ったキャンドルは、使用中に何度も芯を切る作業が必要でした。
1820年にフランス人のキャンバセレが、編んでつくる芯の製造方法を発明します。
燃えると芯がほどけて炎の外部に向かって曲がり焼ききれるので、芯を切る手間がなくなったのです。
編んでつくる芯には、どのようなものがあるのでしょう?
三ツ組芯と三ツ組プラス芯
「三ツ組芯」は、より合わせた糸の束3本を編んだ芯。
三ツ組芯には、8本の糸束を1束として3束を編む「8×3」、10本の糸束を1束として3束編む「10×3」などがあります。
これをさらに改良したのが、「三ツ組プラス芯」です。
三ツ組芯の中にさらに芯となる糸を入れた構造で、芯が倒れにくくなります。
2本の芯糸を入れて4本の糸束を3束編む「4×3+2」、2本の芯糸を入れて6本の糸束を3束編む「6×3+2」などがあります。
ペガサスキャンドルが扱っている芯は、20種以上。
さまざまな編み方の芯から、そのキャンドルに適切なものを選んでいます。
自社製芯で品質が向上
料理を作る場合、同じ材料で同じレシピだとしても、作る人が違えばおいしさが変わります。
それと一緒で、キャンドルの芯も、同じ構造の芯すべてが同じ品質ではありません。
ぎゅっと固く編みすぎたり、ゆるすぎたり、編む力が安定しなかったりすると、うまく燃焼しないのです。
ペガサスキャンドルでは、昔は仕入れた芯を使っていました。
しかしどうにも品質が安定せず、キャンドルにしたときに燃焼基準を満たさない不良品が一定数発生していました。
そこで、社内で芯も生産することに。
自社製の芯を使うことで、品質がぐっと安定し、不良品が減少しました。
季節によって機械の調子が変わるため、まめに湿度・温度を調整しながらベストな芯を製造しています。
理想的な燃焼って?
そもそも「理想的な芯の燃焼」とはどのような状態なのでしょうか?
キャンドルの炎は、場所によって温度が異なります。
芯のすぐそばは300℃程度ですが、炎の外側(外炎)は約1,400℃にもなります。
芯の理想は、使う前はまっすぐ立っていた芯が、燃焼するにつれて曲がり、外炎にふれたところで焼き切れる状態が続くこと。
この状態になり、芯の長さを一定に保って良い大きさの炎をキープしながら燃焼するように、芯を設計しています。
当社の芯はベストな芯だと自信を持っていますが、どうしてもキャンドルの保管状況や、風・温度などの使用環境などにより、理想どおりに燃焼しないことも。
それでも、できる限り理想的な燃焼をするよう、日々燃焼の状態をチェックして、品質にこだわっています。
適切じゃない編み方の芯を使うとどうなるの?
たとえばタコ糸はキャンドルの芯と同じく木綿からできており、2本の糸束をより合わせてつくられます。
手作りキャンドルを作るときに芯の代用としてよく紹介されます。
タコ糸を使うと多く発生してしまうのが、次のようなこと。
- うまくワックスを吸えない
- ロウをうまく気体にできない
- 芯がきれいに曲がらずループ状になる
芯が外炎に届く前に丸まってしまうと、ループ状になって炎が大きくなりすぎます。
逆に丸まりかたが足りなくても、芯が長く残り炎が必要以上に大きくなって、ススの塊もできやすい状況に。
また、芯がロウをあまり吸わなければ、芯だけ焼き切れて炎が小さくなり消えやすくなります。
つまり、炎が大きすぎたり小さすぎたり安定しなかったりするのです。
芯のコーティング
当社のキャンドル芯の多くは、木綿糸を編むだけでなく、編んだ芯をロウでコーティングしています。
コーティングすることで、着火した炎がまっすぐ降りてきて、キャンドル本体着火時に消えにくくなります。
すぐつく仕様
芯をロウでコーティングすると、芯がまっすぐ立ちます。
コーティングが無くだらんと垂れている芯に比べて火がつけやすくなり、着火時の立ち消えが起こりにくくなります。
ただ、着火に時間がかかるというデメリットも。
1~2秒程度なのでキャンドルを少数使うときには気になりませんが、
1回に何万個も使うイベントでは、塵も積もれば山となることでしょう。
そこで当社の一部のキャンドルは、「すぐつく」仕様になっています。
芯の先だけコーディングをなくし、着火の速さと立ち消えのしにくさを両立しているのです。
ちなみにこのコーティングするロウは、季節によって配合を少し変えています。
芯にもこだわったキャンドルを使おう
詳細は企業秘密なのですが、奥深いキャンドル芯の世界。
こだわりが詰まった芯がつくるキャンドルのあかりを、ぜひ体感してください。