ライブラリー:あかりのイベント

キャンドル卓体感パーティー4 キャンドルと食卓の話概要

2012/04/24

●夜らしいあかり

キャンドルの話をする前に、日本の照明環境について考えてみたいと思います。

業界でご活躍中の照明デザイナー東海林弘靖さんのお話を引用させていただきます。
東海林さんは昨年、パプアニューギニアを訪れた際、とても貴重な体験をなさいました。
そこでは現地の方々は、一軒に一灯のあかりの中で夜を過ごすことが当たり前となっています。
彼らは、明るすぎる照明の中に身をおくと暫く身動きできなくなるから、
明るすぎることは逆に「不便」だと言うそうです。
以来、東海林さんは、「夜を夜として、夜らしさのあかりを楽しむ考え方を持つようになった」そうです。
(詳細は東海林さんの著書『日本の照明はまぶしすぎる』をお読みください。)

とても魅力的な話ですね。

戦後、日本に蛍光灯が導入されて以来、
照明器具のデザインはさまざまなものが出てきましたが、
あかりのつくりかたそのものは、あまり変わっていません。
最近になって、1つの部屋に複数のあかりをともす「一室多灯」という考え方が
さまざまなところで紹介されるようにはなりました。
しかし実際は、9割近くの家庭が一室一灯で明るすぎる夜の暮らしをしていると言われています。

日本人はまぶしい夜の照明に慣れてしまっています。
日本人は、あかりに対して無頓着と言えます。

●夜でも明るい暮らしの弊害

戦後、確かに照明は明るく便利になりました。
しかし、便利であること豊かであることは異なります。
夜でも明るい照明下にいることで、弊害も出てきています。

・睡眠障害
現代日本人の4人に1人は睡眠障害と言われています。
その理由の一つに、夜に明るすぎる暮らしをしていることが指摘されています。

人間の身体は、太陽などの光に反応して働きを変えています。
朝、太陽の白い光と共に身心が覚醒し、体温が上昇します。
日中は心身ともに活発に活動しますが、
逆に夕暮れになると光は温かみを帯び、体温は下がって身心は落ち着いてきます。
やがて夜になると睡眠を促進するホルモンが活発に分泌され眠りにつくのです。
いわゆる「体内時計」ですね。
しかしリズムに逆らって夜でもまぶしい あかりの中で暮らしていると
体内時計がうまく働かず、心身に大きなストレスを与えてしまいます。
(参照:「キャンドルのあかりの効果」

・繊細な感覚の退化
東海林さんは、明るい暮らしによって「感性が退化していっているのではないか」と指摘されています。
目の働きは明るさによって異なり、明るいところで働く視覚を「明所視(めいしょし)」、
暗いところで働く視覚を「暗所視(あんしょし)」、その中間を「薄明視(はくめいし)」と呼びます。
そもそも人は、夕暮れ時から夜にかけ薄明視や暗所視の働きと共に
とても繊細で豊かな世界を感じてきたのです。
しかし現代の夜でも明るい暮らしは、その働きを阻害し退化させている、と指摘されているのです。

私たちは、「食卓にキャンドルを灯す」ことを提唱しています。
実は、キャンドルの灯る世界は、まさにその薄明視・暗所視の目の働きの中で感じる
"繊細で豊かな世界"そのものなのです。


●キャンドルのあかりでつくる、繊細で豊かな空間のつくりかた

では、どうすればそのキャンドルの世界をつくることができるか、をお話します。
実はそれにはテーブルの上だけではなく、
ダイニングやリビングなど、テーブルのある部屋空間そのものを考えていくことが重要です。


考え方を分かりやすく進めていくために、

1.一旦、部屋を真っ暗にしてみてください。

2.テーブルにキャンドルを1つともします。
  日本人からすると、暗すぎると感じる人が多いかと思います。

3.そこで、テーブルの向こう、もしくは左右の壁面にあかりを当てます。
  専門用語で言うと「鉛直面照度」をつくります。

  鉛直面とは垂直な面で、住宅だと壁面や窓などがこれに当たります。
  人間の目の7~8割は鉛直面を見ています。
  そのため壁が明るくなると、その空間が適度に明るく感じられ
  空間の広がりがうまれます。

むやみに全体を明るくするのではなく
必要なところに必要なあかりをつくることが大切です。
暗さの中に明るいところをつくっていくことで
陰影の豊かな世界ができあがり、
手前のあかり・向こうのあかりと、奥行きをつくることで
空間の豊かな広がりが生まれるのです。
これは「一室多灯」だからこそ叶えられるものです。
これが考え方の基本です。


●食卓で使うキャンドルのポイント

・高さ
食卓でのキャンドルは、あかりの高さが1番のポイントです。
家庭の食卓では、1番高いところが9インチ(22~23cm)がベスト。
この位置で灯るあかりは
ふもとの料理を明るくし、さらにテーブルを囲む人の表情を豊かに照らしてくれます。
高すぎると視界の邪魔になってしまいます。

・数
先ほどは空間のあかりづくりを分かりやすく説明するためにテーブルに一つキャンドルを灯すとお話しましたが、
実際は、一つより二つ、二つより三つ、と複数のあかりを灯すのがおすすめです。
高低差を作ったり、光の塊を作ったり、点在させたり・・・
複数のあかりを組み合わせることで
リズム感が出たり陰影の変化が生まれ、テーブルの上が豊かになります。
これを私たちは、「一卓多灯」を呼んでいます。
是非「一卓多灯」を楽しんでみてください。

・安全にお使いいただくために
また基本的なことですが、キャンドルは空調に弱いです。
日本の家には空調がありますので、特に注意しなくてはなりません。
横からの風が当たると、ロー垂れしてしまいテーブルが汚れるだけでなく
燃焼時間も短くなることがあります。
キャンドルに風が当たらないよう、空調の向きを調整して
風の当たらないように工夫してください。

●ベストナチュレ

最後に、食卓用に開発した新商品「ベストナチュレ」をご紹介します。
キャンドル卓が開発した、食卓に最適のキャンドルです。

・形
飽きのこないシンプルな形です。
最も高いものは9インチで、お料理も人の顔も照らしてくれます。

・肌合い
自然で味のある風合いをしています。
1本1本倉敷市の工場で手づくりしているため、個体差があります。

・色
日本の伝統色の中から、こだわりぬいて選びました。
春夏秋冬使えて、どんな料理にも合う8色です。

・原料
環境を考え、使用済みの天ぷら油からつくった「グリーンワックス」を配合しています。
凝固剤を入れてつくったものとは異なり、高品質なキャンドルです。


●おわりに

キャンドルの灯る食空間をつくるでは、
キャンドルのある空間の作りかたを画像つきで紹介しています。
是非合わせてご覧ください。

キャンドルのあかりで"繊細で豊かな世界"を過ごしませんか。




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もくじ

キャンドル卓体感パーティー1 テーブル紹介
キャンドル卓体感パーティー2 ブログ紹介
キャンドル卓体感パーティー3 参加者の感想と写真
キャンドル卓体感パーティー4  キャンドルと食卓の話

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